
遠近法2 マザッチョ
マザッチョの「三位一体」、その下図を描くときにブルネレスキの指導を受けたと考えられている。背景の礼拝堂の消失点は鑑賞者の目の高さに設定されている。ブルネレスキは消失点と鑑賞者の視点を同じ高さにすることが、現実空間の再現を最も効果的に行うための条件としている。そのためこの作品では、本物の礼拝堂を下から見上げるように描かれている。このような構図は仰視構図と呼ばれ、15世紀前半の壁画に少しずつ表れている。
ウッチェロ「ジョン・ホークウッド騎馬像」
ドナテッロ「福音書記者聖ヨハネの昇天」
(1434〜43年 旧聖具室 福音書記者聖ヨハネの物語)
この作品では背景の礼拝堂は遠近法で描かれているが、「三位一体」は正面から見たように描かれている。聖なる図像の聖性をより強く表すために正面像が使われている。
中世には聖なる図像は現実世界にあるものより大きく描かれ、寄進者は小さく描かれていた。15世紀になると、世俗的要素が少しずつ宗教的作品に入り、神の世界と人間の世界の壁は取り払われるようになった。この作品でも寄進者は聖なる存在と同じ大きさで描かれている。またこの作品では鑑賞者のいる現実世界と聖なる世界を遠近法で描かれた礼拝堂がつなぐ仲介の役割を果たしている。
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
マザッチョ「三位一体」(1427〜28年)
遠近法1(ブルネレスキ) 3(アルベルティ) 4(聖会話) 5(ウッチェロ) 6(ピエロ・デッラ・フランチェスカ)
ルネサンス 用語集
ウッチェロ「ジョン・ホークウッド騎馬像」
ドナテッロ「福音書記者聖ヨハネの昇天」
(1434〜43年 旧聖具室 福音書記者聖ヨハネの物語)
この作品では背景の礼拝堂は遠近法で描かれているが、「三位一体」は正面から見たように描かれている。聖なる図像の聖性をより強く表すために正面像が使われている。
中世には聖なる図像は現実世界にあるものより大きく描かれ、寄進者は小さく描かれていた。15世紀になると、世俗的要素が少しずつ宗教的作品に入り、神の世界と人間の世界の壁は取り払われるようになった。この作品でも寄進者は聖なる存在と同じ大きさで描かれている。またこの作品では鑑賞者のいる現実世界と聖なる世界を遠近法で描かれた礼拝堂がつなぐ仲介の役割を果たしている。
マザッチョ「三位一体」(1427〜28年)
遠近法1(ブルネレスキ) 3(アルベルティ) 4(聖会話) 5(ウッチェロ) 6(ピエロ・デッラ・フランチェスカ)
ルネサンス 用語集
