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7 ドラムの建設

1366年から68年にかけて描かれたフレスコ画「教会の闘争と勝利」にはフィレンツェ大聖堂が描かれている。作者のアンドレア・ダ・フィレンツェは造営局とも関わりがあった人物で、描かれているのはフィオラヴァンティの模型によったフィレンツェ大聖堂の完成予想図。
それを見るとドラムの部分がない。1410~13年に造られたドラムは造営局が工事の遅れを指摘されないように新たに付け加えられたもの。高さ9m、壁の厚さ4mのドラムはドームの建設を一段と困難にするものだった。一方そこに設けられた窓によって、1420年にジョヴァンニ・ダ・プラートから出された、ドームの基部に24の窓を設けるべきという案を退けられたのかもしれない。造営局でもドームを架ける具体的な方法が見つからず、時間稼ぎをしていたと思われる。

右の画像 アンドレア・ダ・フィレンツェ
「教会の闘争と勝利」の部分

フィレンツェ大聖堂建設 8 応募作の審査