大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

5 ローマでの古代遺跡の調査2

フィレンツェ大聖堂のドーム建設の計画を知っていたブルネレスキは古代ローマのヴォールト(円天井)づくりの技術も調べていたはず。
紀元64年の大火災の後、ネロ帝は可燃性建材の制限などの規制を行なったため、新たにコンクリートが建材として使われるようになっていた。紀元前27年に建設されていた神殿が80年に焼失した。それに代わるものとして118年から128年にかけてハドリアヌス帝によって、天上のすべての神々に捧げるために再び建設されたのが今のパンテオン。
608年東ローマ皇帝フォーカスによって教皇ボニファティウス4世に寄進され、サンタ・マリア・ロトンダ聖堂と呼ばれる教会に転用されたため、破壊、略奪を免れていた。
コンクリートはドーム基部では6.2メートルの厚みがあるが、頂部では0.6メートル。上に行くほど薄くなり、格間と呼ばれる四角い凹みを設けたり、骨材に小石の代わりに軽石を使うことなどで、全体の重みを少なくする工夫がされている。屋根の中央部が重いと、その圧力がドームを外側に広げる力になってくる。それを少なくするために、ドームの上の部分の軽量化が必要だった。
「天才建築家ブルネレスキ」では風船を上から押すと外側にふくらむ、と表現されている。