大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

アルブレヒト・デューラー 2

1490年、徒弟修業を終えたデューラーは、当時の慣行に従って94年4月まで遍歴職人として旅に出た。
1492年にはコルマール(現在はフランス領アルザス地方)を訪れて、前年に死去していたショーンガウアーの兄弟から歓迎されている。デューラーの初期の素描にはショーンガウアーと似ているものがある。またバーゼルでもショーンガウアーの兄弟に迎えられ、「ヒエロニムス書簡集」上巻・扉絵の木版画を制作している。バーゼルでは多くの人文主義関係の書物が刊行されていて、挿絵にデューラーの下絵が使われたと考えられている。
ニュルンベルクの都市貴族の収集品目録(1573〜74年)のなかに、ストラスブールに住む貴族の師匠夫妻の肖像画がある。作品は残されていないが、ストラスブールを訪れ、ニュルンベルクでも2点の木版画の下絵を描いたと推測されている。
画家としての仕事はまだ見られない。右の羊皮紙に油彩で描いた自画像(西洋絵画史で最初の油彩自画像)。銘文に「わがことは上にて定められたるがごとくなれかし」とあり、宗教的な信条告白のような作品。小品「嘆きの人としてのキリスト」(カールスルーエ美術館)だけが伝えられている。

世界美術大全集14 北方ルネサンス
人物略歴
デューラー3 4 5 6 7 8 1
デューラー
自画像 1493年
カンヴァス(羊皮紙から移行) 油彩 56.5×44.5cm
パリ ルーヴル美術館