
時禱書
時禱書は12〜16世紀にキリスト教の平信徒が個人的に用いた祈禱書。時禱とは聖務日課、時課(毎日の定時の祈禱)の意味。
聖職者に定められた、日々の定時課と呼ばれた祈禱から11〜13世紀に詩篇本(詩篇集)、聖務日課書が作られた。14世紀になるとそれに(個人用祈祷書である詩篇本に、という説も)聖母への祈り、受難についての瞑想、死者への祈りなどが加えられ時禱書という呼び方も定着した。
14世紀末から16世紀にかけてフランドルや北フランスで豪華な時禱書が制作された。写本制作も修道院の写字室から世俗の工房へ移り、王侯のお抱え画家によって、注文主の意向に沿った挿絵などが描かれた。
一般的な構成は、月ごとのキリスト教の聖人の祝祭日を表す月暦図、福音書の抜粋、聖母への祈り、死者への祈り、受難の祈りなど。高価で貴重なものだったので、富と地位の象徴とされ、王侯貴族間の贈答品とされることもあった。
世界美術大事典 小学館、
名画への旅9 北方ルネサンス1 講談社
ルネサンス 用語集
右図
マリ・ド・ブルゴーニュの画家 時禱書を開く貴婦人
「マリ・ド・ブルゴーニュの時禱書」より
1466〜77年頃 22.5×16.3cm
時禱書は丁寧に扱われている。窓を通して聖堂内の聖母子が見える構図になっている。
聖職者に定められた、日々の定時課と呼ばれた祈禱から11〜13世紀に詩篇本(詩篇集)、聖務日課書が作られた。14世紀になるとそれに(個人用祈祷書である詩篇本に、という説も)聖母への祈り、受難についての瞑想、死者への祈りなどが加えられ時禱書という呼び方も定着した。
14世紀末から16世紀にかけてフランドルや北フランスで豪華な時禱書が制作された。写本制作も修道院の写字室から世俗の工房へ移り、王侯のお抱え画家によって、注文主の意向に沿った挿絵などが描かれた。
一般的な構成は、月ごとのキリスト教の聖人の祝祭日を表す月暦図、福音書の抜粋、聖母への祈り、死者への祈り、受難の祈りなど。高価で貴重なものだったので、富と地位の象徴とされ、王侯貴族間の贈答品とされることもあった。
世界美術大事典 小学館、
名画への旅9 北方ルネサンス1 講談社
ルネサンス 用語集
マリ・ド・ブルゴーニュの画家 時禱書を開く貴婦人
「マリ・ド・ブルゴーニュの時禱書」より
1466〜77年頃 22.5×16.3cm
時禱書は丁寧に扱われている。窓を通して聖堂内の聖母子が見える構図になっている。
