右側では年老いたアダムの頭をエヴァが支え、子供たちが取り囲んでいる。その左奥では、アダムを救うために慈悲の樹の油を求めて天国へ向かった息子セツに、天国の門で大天使ミカエルが慈悲の樹の油の代わりに原罪の樹の小枝を渡している。
左側にはアダムの遺体を囲んでその死を嘆く人々と、小枝を植えるセツ。中央に大きく描かれているのが、成長した原罪の樹。
人物は二つのグループに分けられ、巧みにまとめられている。左端の二人を除き、ピエロが描いたとされている。

ピエロ･デッラ･フランチェスカ　Piero della Francesca
アダムの死　聖十字架物語
1454〜64年頃　壁画　フレスコ　390×747cm
アレッツォ　サン・フランチェスコ聖堂主礼拝堂
世界美術大全集11　イタリア・ルネサンス1

「聖材の礼拝、シバの女王とソロモンの会見」
聖十字架物語　1450年代