大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

第1場面 平日 キリストの磔刑

暗い空と荒涼とした風景の前に、十字架上で息絶えたキリストが大きく描かれている。茨の冠をつけた頭は深く沈み、無数の刺し傷と裂傷に覆われた体には緑がかった死色が広がっている。釘で打ち付けられた両手両足はねじれている。ドイツ中世の神秘思想の伝統に従って、キリストの死の残酷さを描き出そうとしている。
聖母マリアを福音書記者ヨハネ(右手が異常に大きい)が支え、マグダラのマリアは跪き弓なりにのけぞっている。右の洗礼者ヨハネはキリストを指さし「あの方は栄え、わたしは衰えねばならない」という銘文が記されている。足下の子羊は犠牲となったキリストの象徴。