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低地地方の経済 14・15世紀

フランドル都市が毛織物工業(タピスリーなど)での国際的な独占的地位を失っていった14世紀、国内市場でも中小都市や農村で生産された毛織物との競争になっていた。中世盛期には大都市の周辺や地方都市で生産された毛織物が地域的・局地的市場で販売されていた。荘園での領主制的賦課の軽減と保有地の定地小作化によって農民が商品生産を始め、13世紀には毛織物工業が盛んになっていた。ギルド規制が弱く賃金が安い農村で、在地産の安価な羊毛を使った毛織物は、大衆の需要に応えて広く顧客を獲得していった。1295年ブリュッセルが周辺30kmでの毛織物生産を禁止しているように、大都市は周辺農村を経済的に統制しようとしていた。14世紀中頃になるとスペインの羊毛が輸入され、安い労働力で生産された毛織物が普及し、都市工業は衰えていった。
低地地方北部の経済発展は南部に比べると遅れていた。15世紀半ば、フランドルがブルゴーニュ公の税収入の3分の1を負担していたのに対してホラントは12分の1だった。16世紀半ばにはホラントは6分の1の税を負担するようになった。
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