大航海時代とルネサンス 大航海時代 ルネサンス 歴史 参考文献 index

聖職叙任権闘争3

1076年2月、グレゴリウス7世はハインリヒ4世の破門をローマの教会会議で決議した。教皇は破門を告げる文書で、ハインリヒから「ドイツ王国およびイタリア王国の全域への統治を奪いあげる」と明記し「余は、全キリスト教徒にたいして、彼らがハインリヒにおこなった、あるいはおこなうであろう宣誓の絆から解き放つものである。何人であれ、彼があたかも国王であるかのように、彼に仕えてはならない」と断言している。
伝統的な「前ヨーロッパ」的秩序への、ローマ教皇の挑戦だった。
ハインリヒ4世は、教皇の破門宣告に対抗してヴォルムスに教会会議を開催し、聖俗諸侯を集めようとしたが、王権の強化を恐れるドイツの諸侯たちは国王に対して冷淡な態度をとった。グレゴリウスの廃位に賛同し署名した司教たちもハインリヒから離れ始めた。教会会議への出席者は少なく、会議がマインツへ移されたが出席者は増えなかった。
諸侯たちはトリブールで諸侯会議を開き、国王にたいし「贖罪」をおこない教皇に服従するように求め、1年以内に破門の赦免が与えられなければハインリヒを退位させることも決定した。さらにアウクスブルクにグレゴリウスを招き、国王との争いを裁かせることにした。1076年10月、ハインリヒ4世はグレゴリウス7世にたいする廃位宣言を取り消したが、事態は好転しなかった。
世界各国史13 ドイツ史
聖職叙任権闘争4 ヨーロッパ史年表