
コンタード
都市コムーネの支配権に服した周辺農村領域
都市の支配者となったコムーネは、コンタードの領主や集落共同体に服従を要求し、拒否したものには武力を行使した。コムーネにとって、コンタードの支配は、コンタードにある所有地の保護(都市に住む富裕層はコンタードに土地をもっていた)、流通の維持、食糧・原料・労働力の供給、市場の統制など、都市の機能を確保するために必要だった。
コンタードの征服は兵役義務のある市民で構成される、コムーネの市民軍によっておこなわれた。服従したコンタードの住民は、補助部隊員として召集された。コンタード支配の拠点には城塞など、防御施設を建設し、土地と免税特権を与えられた住民による自由集落(ボルゴ・フランコ)が建設された。
世界各国史15 イタリア史
用語集 ヨーロッパ史 イタリア史
都市の支配者となったコムーネは、コンタードの領主や集落共同体に服従を要求し、拒否したものには武力を行使した。コムーネにとって、コンタードの支配は、コンタードにある所有地の保護(都市に住む富裕層はコンタードに土地をもっていた)、流通の維持、食糧・原料・労働力の供給、市場の統制など、都市の機能を確保するために必要だった。
コンタードの征服は兵役義務のある市民で構成される、コムーネの市民軍によっておこなわれた。服従したコンタードの住民は、補助部隊員として召集された。コンタード支配の拠点には城塞など、防御施設を建設し、土地と免税特権を与えられた住民による自由集落(ボルゴ・フランコ)が建設された。
世界各国史15 イタリア史
用語集 ヨーロッパ史 イタリア史
コムーネはコンタードの領主を制圧すると、租税収入を折半し、城塞の建設や修復を禁止するなど、諸権利を制限する一方、下級支配権を認めて間接的支配をおこなった。その後、領主の服従を確実なものとするため、都市での一定期間の居住と住居の所有を義務づけた。コンタードのなかの都市的性格を持つ大集落には、その住民共同体による自治をおこなっている場合もあった(農村コムーネ)。このような自治集落を制圧したときも、領主の場合と同様に、自治権を制限し、その集落が選出する役人に統治を委任することで、間接的に支配した。
コムーネの支配地域が拡大して、支配が確立すると、領主や自治集落に認めていた特権や下級支配権を廃止し、支配の単位として再編された集落にコムーネの役人を派遣して直接に支配するようになった。強力なコムーネ(ミラノ)が、コンタードを越えて近隣のコムーネを帰順させることもあった。
コムーネの支配地域が拡大して、支配が確立すると、領主や自治集落に認めていた特権や下級支配権を廃止し、支配の単位として再編された集落にコムーネの役人を派遣して直接に支配するようになった。強力なコムーネ(ミラノ)が、コンタードを越えて近隣のコムーネを帰順させることもあった。