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修道院 クリュニー派

聖ベネディクトゥス(480頃〜547/560頃)
529年頃、聖ベネディクトゥスがローマ近くのモンテ・カシーノの山頂に修道院を建て、生活規範として独自の戒律を定めた。ベネディクトゥスは手労働と定時の祈り(時課)を重視し、幼児を修道士として受け入れるようにして、修道院長に絶大な権力を認めた。
7世紀以降、ベネディクトゥス戒律は全ヨーロッパに広がり、この戒律を受け入れた修道院はベネディクトゥス派修道院と呼ばれ、ラテン・キリスト教世界の修道制の基本になった。

クリュニー修道院
9世紀末にブルゴーニュの貴族の家に生まれた、ベルノンという人物が、ベネディクトゥス戒律の原点に立ち返るためにジュラ山中に開いた修道院に多くの修道志願者が集まった。ベルノンはアキテーヌ大公でマコン伯のギョームに、彼が所有するクリュニー地方の所領を修道院建設のために下賜してくれるように願い出て、クリュニー修道院ができた。
ここでの修道生活の基本は、祈禱と神を讃えること。教父の作品の筆写やその研究よりも、祈りと沈黙が霊的生活の基本とされた。また世俗権力からは自由で、教皇庁のみに属していた。11世紀後半から12世紀前半にかけて、クリュニーの戒律を採用し、連携した修道院は全ヨーロッパで1500ほどになった。